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主要スポーツ系小売店5社、決算まとめ(下)
粗利確保、回転率の改善がカギに

update: 2016/10/25

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主要スポーツ小売店5社、本決算 財務諸表(表1)

主要スポーツ小売店5社、本決算
財務諸表(表1)

主要スポーツ系小売店5社の本決算まとめ。対象企業はアルペン、ゼビオホールディングス(HD)、ヒマラヤ、メガスポーツ、エービーシー・マートである。エービーシー・マートはシューズ専門店なので、同列に論じるというより、参考資料として位置付けている。

店舗数は引き続き増える傾向

主要4社(アルペン、ゼビオHD、ヒマラヤ、メガスポーツ)の財務指標には、共通する個所がある。基本的に、500-1000坪規模の大型店を主力にする各社。期首に商品を揃え、シーズン中に売り減らしていく手法が主流だ。商品回転率は2.0-2.5回転が平均値で、大きく春夏・秋冬の2シーズンで商材が入れ替わっていることがうかがえる。

売上高総利益率(粗利率)は30%後半から40%前半で、これは仕入品が多いことによるものだ。プライベートブランドに積極的なアルペンは、42.1%とやや高めである。交差比率も、商品回転率が下がったアルペンを除くと、90前後で共通している(表1参照)。粗利確保、回転率の改善がカギになるだろう。

流動性指標では、有利子負債が少なく、かつ自己資本比率が比較的高いアルペンおよびゼビオHDが健全な状態だ。D/Eレシオもそれぞれ0.3倍以下と問題ない水準にある。自己資本比率が低く、かつ有利子負債の額がやや多いヒマラヤ、メガスポーツは改善の余地がある。ヒマラヤは自己資本比率が低いこともあり、D/Eレシオが0.8倍とやや高めの数値。メガスポーツは自己資本比率が10%と低く、D/Eレシオも2.3倍と高い値である。前売りが回復しているので、今後の売上推移に期待が持てる。

店舗数は引き続き増える傾向にある。期末の店舗数では、様々な業態を展開しているゼビオHDが717店と最も多い。以下、アルペンが434店、ヒマラヤ155店、メガスポーツ135店と続く(表2参照)。