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主要スポーツ系小売店5社、決算まとめ(上)
増収するも、色濃い減益基調

update: 2016/10/24

主要スポーツ小売店5社 本決算 財務諸表

主要スポーツ小売店5社
本決算 財務諸表

主要スポーツ系小売店5社の本決算をまとめた。最新の発表は8月期のヒマラヤで、他社の本決算は少し前に公表されているが、主要各社の数値が出揃ったこのタイミングで総括する。対象企業はアルペン、ゼビオホールディングス、ヒマラヤ、エービーシー・マート。非上場だが、決算公告を行っているメガスポーツも参考に加えた。

ウインター苦戦、ゴルフ・アスレ健闘という共通の傾向

各社共通して、2015-16年シーズンのウインタービジネスのマイナス影響が大きかった。記録的な暖冬で気温が高く、また雪不足に陥ったこともあり特に冬物の重衣料が苦戦した。その半面、ランニングやスニーカーブームによりスポーツシューズ類は堅調な推移だった。主力にするカテゴリーの違いで、各社に収益の差が表れた。

アルペンはウインタービジネスの苦戦(137億円、23.6%減)が足を引っ張った。ゴルフ758億円(2.8%増)や、一般スポーツ1,296億円(4.6%増)は堅調な推移だった。営業利益は1.7%増の微増だったが、これは経費の抑制効果によるものだ。売上高総利益率(粗利率)は前年並みの水準だった。

ゼビオホールディングスもアルペンと似たような内容である。ウインターが143億円(17.3%減)と苦戦したが、ゴルフが561億円(8.0%増)、一般競技スポーツが815億円(10.3%増)と健闘した。スポーツアパレルも284億円(2.1%増)と堅調だった。

ヒマラヤも前出の2社同様、ウインタービジネスである「スキー・スノーボード」が37億円(19.3%減)と苦戦した。ゴルフは114億円(2.4%増)と健闘した。主力の一般スポーツは498億円(1.7%減)とやや減少した。

「スポーツオーソリティ」を展開するメガスポーツは増収増益と健闘した。効率性指標は減少しているが、粗利率が1.0ポイント改善した点が大きかった。エービーシー・マートは堅調な推移を続けている。主力の「スポーツ」シューズも1,279億円(18.6%増)とけん引役になっている。(続く)