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スポーツ上場6社 2016年3月期 連結決算まとめ(下)
成長のカギ握る海外市場
日本市場は堅調な傾向

update: 2016/05/18

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スポーツ上場6社、 2017年3月期 業績予想

スポーツ上場6社、
2017年3月期 業績予想

スポーツ上場6社の2016年3月期 連結決算。海外市場の開拓が進んでいるメーカーは収益が安定しているケースが多い。当期は急速な円安が足を引っ張った面もあるが、収益の柱を分散化することでリスクヘッジになるメリットもある。

ゴールドウイン、国内事業がけん引役に

スポーツ上場6社、 2016年3月期 財務諸表

スポーツ上場6社、
2016年3月期 財務諸表

東京オリンピックの決定や、健康志向の高まりでランニングやフィットネス関連が好調な国内スポーツ市場だが、アウトドアやウインターは暖冬の影響もあり、一服感が強い。ゴールドウインは売り上げの90%以上が国内事業で、主力はアウトドアビジネスだが、既存店ベースでも2ケタ増と好調を持続している。「ザ・ノース・フェイス」を主体としたアウトドアスタイル事業がけん引役になっている。

2015年末で「チャンピオン」ブランドを譲渡した影響――14億円の減収インパクトがあったが、連結売上高は386億円、2%増と健闘した。主力のアウトドアスタイル事業が341億円(11.9%増)と好調で、ほかの減収分をカバーした形だ。売上高総利益率(粗利率)も44.2%(2.2ポイント増)と順調に伸びている。出店などにより経費は増えたが、粗利率の増加でカバーできている。

通期の見通しは、「チャンピオン」ブランドがなくなった影響に加え、積極的な投資を行うため、微減収減益になる。また、韓国ビジネスのシュリンクの影響も織り込んでいる。当期(2016年3月期)で終了した中期計画に代わり、新しい5カ年計画を策定した。

2020年には創業70周年を迎えるゴールドウイン。東京オリンピックが開催される節目の年に大きな飛躍を狙っている。最終年度の2021年3月期には、連結売上高800億円、営業利益65億円、経常利益73億円、ROE11.2%を計画する。重点課題は次の5つだ。①オリジナルブランド、海外事業の強化、②ランニング・ワークアウト市場におけるコアブランド事業の確立、M&Aを見据えた新規事業の展開、③人工の蜘蛛の糸を開発したSpiber(スパイバー)社の活用、新規商品の開発、④デジタルマーケティングの強化とEC拡大、⑤自主管理型ビジネスの強化、である。