TOP > 財務分析レポート > デサント、2016年3月期連結決算(下) ...

デサント、2016年3月期連結決算(下)
新中期経営計画を策定、2段構えの数値目標
2020年に連結売上高2,000億円を目指す

update: 2016/05/13

1ページ2ページ次のページへ >
ブランド別売上高 および中計数値目標

ブランド別売上高
および中計数値目標

デサントの2016年3月期連結決算は、6期連続の増収増益になった。売上高、各利益ともに過去最高を更新したほか、主要セグメント全てでも、増収を達成した。中期3カ年経営計画の最終年度にも当たる節目のタイミングで、同社は新たな中計を策定した。今回はその詳細をレポートする。

3年後には連結売上高1,700億円の計画

先の旧中計目標を達成した今回の2016年3月期決算(5月11日更新のニュースを参照)。今期(2017年3月期)を初年度とする新たな中期計画を策定した。より達成の精度を高めるべく、大局的には5年後の2020年の数値目標──連結売上高2,000億円、経常利益160億円を掲げるが、3年後の2018年度(2019年3月期)の数値目標も掲げている。売上高1,700億円、経常利益140億円、当期純利益100億円、ROA12%以上がその目標数値だ。

企業において経済成長の指標、“重要業績評価指標”として重要視される「KPI」だが、この3カ年計画がそのKPIの役割を果たしている観がある。デサントの新しい中計は3カ年および5カ年という、2段構えになっている。5年後の数値目標を達成するために、まず3年後の具体的な目標を立てるという、合理的で現実的な計画だ。

また、エリア別、ブランド別の売上目標も策定している。ブランドでは、社名ブランドの「デサント」が2019年3月期に700億円の計画で、より主力ブランドとしての地位を確固たるものにする中期計画だ。2番手は「ルコックスポルティフ」で同470億円と「デサント」ブランドに次いで2番目の主力ブランドに位置付ける。3番目は「マンシングウェア」で同160億円。2016年3月期が157億円だったので、堅実な目標設定だ。その後は「アリーナ」が同80億円、「アンブロ」が同90億円、「イノヴェイト」が45億円と続く。伸び代のある「イノヴェイト」を除けば、堅実な目標設定である(別表参照)。