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主要素材メーカー、2019年秋冬展まとめ(下)
シーズン性を意識した素材提案も増加傾向

update: 2018/07/31

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気候の変化に対応した素材提案

共通した傾向の1つは、シーズン性のある機能性素材の開発強化。秋冬シーズンで言えば、保温、発熱、蓄熱といった暖かくすること、防風、透湿、防水といった外部環境の変化からの影響を抑え、衣服内環境を快適に保つことが、最も要求される機能性だ。既存素材の改良や新素材の開発により、そういったシーズン性を意識した機能素材の提案が強化されている。

ユニチカトレーディングは、蓄熱保温機能を持つ「速ポカ SOKUPOKA™」を新たに提案した。太陽光を吸収し発熱する機能性セラミックをポリエステルの繊維内部に充填した新素材だ。

旭化成アドバンスは、高い防風性を持つニット素材「ゴーグル®」、衣服内の温度を調整する「バイオセンサー®」を提案した。「ゴーグル®」は、ニットの弱点である風を通しやすいという点を改善している。「バイオセンサー®」は吸放湿機能を持つ「ベンベルグ®」と機能ポリエステルを組み合わせた素材。湿度により編み組織が移動し、快適な湿度へと調整する。衣服内環境をコントロールする機能を持つ。

東レは「モイスト+®」を提案。特殊な吸放湿ポリマーを“芯部”に配した“鞘芯”構造のナイロンファイバーを採用した。蒸れ感を軽減し、静電気を抑制する機能に優れる。

帝人フロンティアは汎用性の高い「デルタ®」が主力素材だが、シーズンやシーンに適した機能性素材の提案にも力を入れている。吸汗速乾・保温・軽量の「オクタ®」や、汗ジミを軽減するポリエステルの撥水糸を使用した「デュアルファイン®」などがその一例だ。

東洋紡STCは、前回紹介した「オンタイム」のほか、高い除湿機能を持つ「ウエアコン™」、セルロース系繊維を改質しレーヨンの2倍ほどに吸湿性を高めた「セルフホット™」などの、シーズン性を伴った素材を提案した。(終り)