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東洋紡STC 2018年春夏展
3種類の複合素材を提案

update: 2016/12/06

カジュアルをも含んだ “アスレジャー”需要も意識している

カジュアルをも含んだ
“アスレジャー”需要も意識している

東洋紡STCの機能素材の2018年春夏シーズン向けは、3種類の複合素材「3250ファイバーズ™」を主体に提案する。天然繊維と合繊の複合素材を得意にする同社の強みを全面に推し出す。

天然と合繊との組み合わせが強み

「3250ファイバーズ™」は、同社が得意にする天然繊維と合成繊維との混紡による、複合的な機能性の発揮が強みだ。“32℃で50%の湿度”が最も衣服内状態で快適とみなされているため、こうした快適な状態を恒常的に持続できる機能性の実現に注力した。「3250ファイバーズ™」では、様々なシーンの用途を想定して、3つの機能素材を提案している。長繊維と短繊維の組み合わせが特長だ。

シリアスシーン向けが「F3」。盛んな発汗シーンに向けた、スポーツシーンではシリアスな種目向けである。中心と外側が長繊維で、その間に短繊維を配している。その次は「S3」。いわゆる“軽運動”向けの素材だ。発汗・吸水速乾、接触冷感機能を追求した素材で、これも「F3」素材で対応する。

歩行レベルの運動──不感蒸泄(ふかんじょうせつ)および少量の発汗など、より日常生活に即したシーンを想定した素材が「S3」だ。この素材の中心は疎水性素材=長繊維の合繊だが、3層にした中間層および外壁の素材になるにつれ、短繊維=天然繊維、綿を主体にした素材を採用している。さらに、快適性を追求した日常向けの素材として、「M2」を開発した。これは長繊維と短繊維をまんべんなく混紡した糸で、耐久性に優れ、より快適性を追求した素材である。

そのほか、ゴルフウエア向けの素材や、アウトとドアを中心としたナイロンの高密度織物「シルファイン®」シリーズ、カジュアル──紳士シャツ向けの「ゼットシャツ®」なども堅調に推移している。

主力はスポーツシーンだが、紳士服やカジュアルなど、他分野への展開・採用も徐々に増えている。スポーツとカジュアルが融合した新規分野“アスレジャー”への注目が高まっている。今後の強化ポイントの1つが、カジュアル分野である。