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三井物産アイ・ファッション 機能素材展
編集を工夫、分かりやすさを重視
新体制で初の開催

update: 2016/10/17

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最軽量の「パーテックス カンタム GL」

最軽量の「パーテックス カンタム GL」

三井物産アイ・ファッションが2017年シーズン以降へ向けた機能素材展示会を行った。主力素材である「PERTEX®」(パーテックス)および「PRIMALOFT®」(プリマロフト)を軸に、新規素材を提案した。三井物産テクノプロダクツと三井物産インターファッションが合併した後、初めての展示会開催だ。

「PERTEX®」──最軽量素材を提案

三井物産アイ・ファッションは10月1日付で、三井物産テクノプロダクツと三井物産インターファッションが合併し誕生した新会社。機能素材や機能テキスタイルなどの輸出入を手掛ける三井物産テクノプロダクツと、アパレルなどの製品事業を展開する三井物産インターファッションが互いの長所を活かし、相乗効果の発揮を目指している。

主力素材の「PERTEX®」では、機能や用途別に5つの切り口──ストレッチ、エコ、軽量、耐久性、カジュアルに編集して提案した。1つ目の“ストレッチ”では、ポリウレタン(PU)を使わずに糸の構造で伸縮性を持たせた「パーテックス ストレッチ」シリーズを企画・提案。PUを使わないため、通気性に優れるという。ランニングやバイク、海外ではハンティングなどのシーンを想定し、1枚もののウインドブレーカーなどへの採用がメーンになるようだ。中綿ジャケットの表地にも使用できるという。

「プリマロフト®エアロジェル」。 インソールを提案

「プリマロフト®エアロジェル」。
インソールを提案

2つ目は“エコ”で、ポリエステルやナイロンの再生素材を使用したシリーズ。非フッ素の撥水剤を採用している。欧米で特に関心の高い環境保全、エコのニーズに対応した商品群だ。多少、価格が高くなるのがネックである。3つ目は耐久性=耐摩耗性提案で、ダウンジャケット用素材の「CS10」(シーエステン)を展開。“菱形”断面の糸を使用したテキスタイルで、従来品の2.5倍の耐摩耗性がある。ベルクロ(いわゆるマジックテープ)による長期間の摩耗に耐性を発揮する。ダウンの表地のほか、耐久性が要求されるレインウエアの採用などを視野に入れている。

4つ目は軽量性。7デニール・5デニールの糸を使用した最軽量テキスタイル「パーテックス カンタム GL」を新たに提案した。引き裂き・摩耗強度はクリアしているという。軽量性を重視した素材だ。ダウンはFP(フィルパワー)の高い素材を使用すると、その軽量感や風合いをより体感できるようだ。5つ目はカジュアル向けのシリーズ。「パーテックス アンリミテッド」で、カジュアルウエア=アパレル向けの素材である。アウトドアのライフスタイル(いわゆるカジュアル用途)向けにも使用できる。アウトドアなどを中心に拡販を進めてきた同素材としては、伸び代が期待できる新しい分野だ。