ゴールドウイン アウトドアビジネス 2015年秋冬シーズン
「ザ・ノース・フェイス」が2ケタ増に
update: 2016/02/08
ゴールドウインの2015年秋冬シーズンのアウトドアビジネスは、主力の「ザ・ノース・フェイス」(TNF)が前年同期比2ケタ増(8-12月)と引き続き好調だったほか、「ヘリーハンセン」(HH)も前年並みを確保して堅調だった。暖冬の影響をうまく乗り切ったようだ。
ライフスタイル系商材がけん引役に
国内のアウトドア市場は落ち着いてきている。新規参入も一段落し、登山関連需要も数年前のブーム時のような熱気は収束した。同社のTNF担当者も、アウトドアニーズは沈静化したと分析している。
専門性の高い商材に代わり、売り上げをけん引したのがライフスタイル系商材だ。タウンで着用できる機能性とファッション性の両立したウエアが堅調だった。暖冬の影響も受けたが、ファッショントレンドになっている厚手のダウンアイテムなどが動いた。その関連で、ダウンブーツ「Nuptse Bootie」が8月末の投入時から動き始めた。概して、ライフスタイル=ファッションアイテムとして使用される商材の動きが良かった。
ヨット・マリンを切り口にしたHHは、ウインターカテゴリーの縮小によりスケールダウンしたが、アウトドアおよびマリン関連商材がカバーし、前年並みを確保した。暖冬の影響でアウター類が苦戦したが、重点アイテムに据える「ファイバーパイル」は好調だった。
ライフスタイル関連商材が好調という傾向は、HHでも見受けられる。特に20代前半から30代前半の若い女性が、アウトドアのバックパックを求めるケースが多かったそうで、今春も引き続き同様の傾向があるという。
軸はアウトドアに据えているが、ファンから見える切り口が増え、特にTNFではランニングの「パフォーマンスライン」や、タウンユースを意識した「アンリミテッド」など、ブランドの表現の幅が広がってきた。こうした商品企画の変化が、幅広い顧客を取り込む原動力になっている。