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ミズノ コンペティションスポーツ事業
「ミズノ」ファンを創出する

update: 2015/12/15

CHRONO INX9(クロノインクス)

CHRONO INX9(クロノインクス)

ミズノが強みの1つにするコンペティション(競技)スポーツ事業部。いわゆるオリンピック競技と言われる種目を体系的に網羅し、商品の企画・生産・販売のほか、サポートチームの販促も担っているマルチな部署である。主要な種目の1つ、陸上競技を中心に、同社の取り組みを取材した。

縁の下の力持ち

ミズノのコンペティションスポーツ事業部では、陸上のほか、水泳、球技、武道、ラケットスポーツを担当している。ベースボールやゴルフなど規模の大きな種目については、各事業部に同様の部署がある。一部、チームの販促・商談も担っている。トッププロなどハイエンド競技者層のバックアップは別途、プロモーション部が担当する。

河野光裕氏

河野光裕氏

コンペティション事業部の役割は、「営業部隊とは異なり、後方支援を受け持つ」(コンペティション事業部、高橋誠 事業企画部長)。「(生産関連の)川上から、(販売・販促の)川下まで、(幅広く)見る必要がある」(同部 事業企画1課陸上競技担当専任職、河野光裕氏)部署だ。

前出の河野(かわの)氏が担当するのは陸上競技。次期シーズンの商品のラインナップを考慮し、販促用のビジュアルを作成し、それに基づく販売支援までを担う。さらに、市場投入した商品の消化率の促進にも尽力する。

コンペティション事業における陸上カテゴリーでは、2つの軸がある。1つはトップアスリートのフォローによるマス市場への波及効果と、いわゆる“草の根”の活動による、“ボトムアップ”のエンドユーザーの開拓である。コンペティション事業においても、こうした“草の根”の活動による陸上ファンの開拓は、重要な強化施策だという。

通常、あまり光が当てられない部署かも知れないが、“営業”という観点から見れば、非常に重要な分野であることは間違いない。社外的な面でも重要な部署だが、社内向けの部署としても、重要な役割を果たしているようだ。河野(かわの)氏曰く、「(社内の)コミュニケーションが必要な部署。やらないことを決める、やるべき優先事項を決めることが当部署の仕事」だと語る。

陸上ビジネスにおいて、当面の課題は、「ローカルヒーローを取り込むこと」(河野氏)だという。ローカルヒーローとは、全国区ではない、地方のトッププレーヤーを指すが、スポーツビジネスの観点から見た場合、ローカルの市場を開拓するには、こうしたローカルヒーローの取り込みが重要になってくる。自社独自の販売チャネルを持っているミズノとしては、こうした新規販売先の開拓は収益の増加に直結する。地道な取り組みだが、着実な収益向上につながる取り組みである。