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ゴールドウイン スパイバーと協業したウエアを展示

update: 2015/10/22

人工の“蜘蛛の糸” 「QMONOS™」を使った 「MOON PARKA」

人工の“蜘蛛の糸”
「QMONOS™」を使った
「MOON PARKA」

ゴールドウインがSpiber(スパイバー)社(山形)と協業したウエアを全国の「ザ・ノース・フェイス」の直営店舗で巡回展示している。ゴールドウインが資金協力するスパイバー社が開発した人工の“蜘蛛の糸”を使用した「ザ・ノース・フェイス」(TNF)の高機能アウター「MOON PARKA」で、量産化を視野にゴールドウインの国内工場で縫製されたものだ。

様々な可能性を持った人工の“蜘蛛の糸”

スパイバー社がタンパク質素材を基に開発した人工の“蜘蛛の糸”「QMONOS™」(クモノス)を使用した「MOON PARKA」。人間が体験した最も過酷な環境が月面ということから、この名前を冠した。

黄金色をした「QMONOS™」の糸を使い、国内のゴールドウインの工場で製作された。これは近い将来の量産化を視野に入れた取り組みで、アウトドアブランド「TNF」の既存モデル「ANTARCTICA PARKA」をベースにしている。

「MOON PARKA」に採用された人工の蜘蛛の糸は、耐久性に富み、染色の堅牢度も問題がない。アウトドアをはじめとしたスポーツアパレルには必須の吸汗速乾性機能や伸縮性に優れる。「鋼鉄の23倍」(スパイバー談)というタフさも特長の1つだ。タンパク質由来のため、自然界に廃棄されても環境を汚染することがない。アレルギーも少ない。また、特定の機能性に特化した糸の生産も可能だそうで、アパレルの各部や種目、気候条件に適した素材をきめ細かく使い分けることも夢ではない。ウールの特性を持たせることも可能だという。

現在、「QMONOS™」で貢献できると考えている分野は、アパレル、トランスポート(自動車関連。軽量で強度のある素材を作れる)、メディカルの3つだという。「MOON PARKA」は来年(2016年)中の一般発売を目指す。上代価格は既存の1.3倍にとどめ、手に取りやすい設定を考えている。