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デサント ウインタービジネス 2015-16年シーズン
機能性を活かした独自ウエアを提案

update: 2015/06/12

新モデルの「S.I.O CONCEPT」

新モデルの「S.I.O CONCEPT」

デサントの2015-16年シーズンのウインタービジネス。スキーウエアに必要な可動域を広げた、無縫製の新しいパターンを考案した。最も動きのある肩周りを1枚の生地でカバーし、スキーヤーの求める理想的な動きをサポートする。

パターンを工夫、可動域を最大限に

日本スキー産業振興協会が主催するエンドユーザーイベント「スキーフォーラム2015」。5月30-31日に東京・新宿で開催された催事には、2日間で約2,500人のファンが訪れた。大阪展でも、例年にない活気が見られた。会場を訪れたスポーツメーカー担当者および小売店の担当者も、異口同音に「購買に対する熱気が感じられた」と評していた。

ウインター市場は完全な回復基調には乗っていない。スキーは復調傾向にあるが、スノーボードウエア市場は厳しいという見方が大勢を占めている。それでも、19歳を対象にしたリフト券の無料サービスなどにより、徐々にエンドユーザーがスキー場に回帰しつつあることは確かなようだ。

デサントは2015−16年シーズンにおいて、スキーウエアに必要な可動域を広げた、無縫製の新しいパターンを採用したスキーウエア「S.I.O CONCEPT」を提案する。シリアス層を主体にしたスキーヤーのニーズを反映したウエアで、スムーズな肩の可動域を実現するべく、無縫製のパターンを考案した。肩から身頃、袖口まで1枚の生地で覆うことにより、シームレスの快適性と効率的な可動域を提供する。

動きの違いや生地の性質により、異なる素材を組み合わせるため縫い目を入れることがよくあるスポーツウエア。通常、“切り替え”と呼んでいるが、「デサント」ブランドのスキーウエア企画担当者、チーフデザイナーの近藤氏は、「切り替えは傷」だと語る。生地を使用する“方向”を考慮し、布帛だがストレッチ性のあるウエアに仕上げている。防水透湿の基本的に硬い素材だが、パターンを工夫することで、生地のストレッチの可動域を最大限に引き出している。

「S.I.O CONCEPT」採用の新作トップモデルは、ジャケットが4万6,000円、ボトムスが3万6,000円(いずれも本体価格)。円安の影響で上代設定は上がっているが、差別化できる製品で勝負をかける。