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合繊素材主要メーカー 2016年春夏シーズン展まとめ(下)
基幹素材のバリエーション拡大も

update: 2015/01/22

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ユニチカトレーディングは 新モデル「こかげマックス®−50」を提案

ユニチカトレーディングは
新モデル「こかげマックス®−50」を提案

基幹素材のバージョンアップやバリエーション拡大も見受けられる。様々な顧客のニーズに対応するために必要不可欠な取り組みで、売上やシェア拡大にもつながる。「合繊素材主要メーカー 2016年春夏シーズン展まとめ(上)」(1月20日更新)で紹介した素材のブランド化にも寄与するところだ。

既存品でバージョンアップ図る

新しい素材も求められているが、一方で既存の定番品の改良版や廉価版が重宝されるのも事実である。同一ブランドによる継続した素材開発は知名度の定着にも一役買うし、より顧客ニーズにきめ細かく対応できることにもつながる。

16年春夏展においても、各社で多くの既存素材の“従来の機能性をより向上させた”改良版が提案された。東レの「エントラント®」の新素材「エントラント®3D」は主にアウトドアウエアに広く使用されている素材で、シェルと呼ばれるアウターがメーンだ。防水・防風・透湿が主な機能だが、より表面の滑らかさ、透湿性、耐摩耗性が向上した。軽量でかさ張りにくくなったため、年中使用できるレインウエアやマウンテンパーカーに最適だ。

帝人フロンティアの「クールシェル®」も「極薄軽量」「高通気」「涼感」といった従来の機能性を高めた素材である。ユニチカトレーディングは春夏の基幹の遮熱・クーリング素材「こかげマックス®」で、新モデル「こかげマックス®-50」を提案した。50デニールの糸を使用し、さらに遮熱性を向上させた。SPF50程度の機能性を目指している。

旭化成せんいの 「モイステックス®ピュアール」

旭化成せんいの
「モイステックス®ピュアール」

旭化成せんいは、吸水速乾素材「シュアドライ®」シリーズで、速乾性を強化した「シュアドライ®即乾」を新たに提案した。吸汗速乾機能を強化し、乾く時間を短縮した素材である。そのほか、差別化素材に位置付ける「ベンベルグ」とポリエステルの複合素材「モイステックス®」で、「モイステックス®ピュアール」という新素材を開発した。より「ベンベルグ」の風合いが出ている。

東洋紡STCは、アウトドアでナイロン織物の表地として強みにする「シルファイン®」シリーズにおいて、「シルファインエール®」を新たに提案した。異形断面のナイロンを使用した生地で、ダウンジャケットなどの“ダウン漏れ”を軽減する機能を向上させた。表面にポリカーボネート系ポリマーをコーティングした薄地織物「ポリカーボネーティッド™」では織物に続いてニット素材も登場した。