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東レ スポーツ機能素材 2015年秋冬シーズン展総括
採用進む素材に評価集まる
海外はアウトドアが好調

update: 2014/09/19

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15年秋冬展示会で好評だった 「KARUISHI®」

15年秋冬展示会で好評だった
「KARUISHI®」

東レが開催した2015年秋冬シーズン向けのスポーツ機能素材展。来場者の評価が高かったのは、「エアタスティック®」や「KARUISHI®」(カルイシ)、「フィールフィット®」など、採用例が増えているものや、リニューアルした素材だった。ガーメント(衣服)の展示が多かったことも、高評価につながったようだ。海外ではアウトドア分野における輸出が好調だという。

軽量がキーワードに

「エアタスティック®」を採用したサンプルウエア。 製品提案も評価を得たようだ

「エアタスティック®」を採用したサンプルウエア。
製品提案も評価を得たようだ

スポーツシーンを中心に機能素材を開発する同社の「スポーツ・衣料資材事業部」。2013年度は増収増益を達成したという。北米を中心とした輸出が好調で、円安傾向も後押しになった。輸出ではアウトドアのアパレル――特にアウター関連が好調だった。北米で支持されている機能性のメーンは、表地用の透湿防水素材。「エントラント®」や「ダーミザクス®」が主体になる。

国内は円安の影響が大きく前年並みだった。国内のスポーツ市場はランニング、ゴルフ、アウトドアを重要な分野に位置付けている。ランニング市場はブームにより元気だがその分、価格競争が激しくなっている、ゴルフ市場は全体的に横ばい傾向、アウトドアではタウンユース需要が一段落した、とそれぞれのカテゴリーを分析する。

2015年秋冬展で好評だった素材群で、機能性のキーワードになるのが「軽量感」。秋冬シーズンでは保温、防風などの必須機能に加え、この軽量が新たに重要な機能性になってきた。「エアタスティック®」はポリエステルの細番手糸を使った高密度織物で、軽量性が特長だ。「KARUISHI®」も、裏起毛の秋冬向けミドラー・アウターの素材で、嵩高だが軽量。「フィールフィット」はポリエステル100%だが、綿ライクに加工した素材だ。

軽量に加えて、日常スポーツに落とし込める素材であることも重要だという。スポーツとカジュアルの市場がクロスオーバーしている昨今。ハード過ぎないスポーツウエアの提案は、新しい市場を開拓するための強いアイテムになり得る。