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帝人フロンティア 機能素材展 2015年秋冬
高密度織物「デルタ®2000」を新たに展開

update: 2014/06/12

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「デルタ<sup>®</sup>2000」を使用したアウター

「デルタ®2000」を使用したアウター

帝人フロンティアは2015年秋冬シーズンから、新たに開発した高密度織物「デルタ®2000」を展開する。スポーツ分野を中心に、アウター向け素材として提案する。撥水剤を使わずに1枚の生地で、耐水性・透湿性・撥水性を兼ね備えている点が特長だ。

一般的に着用される織物のアウターは2,000mmH2Oの耐水圧が必要とされているが、従来の技術ではコーティングなどの後加工が必要だった。しかしその結果、風合いが硬くなり、衣服内が蒸れやすいという短所があった。また昨今、環境保護の観点から、主成分がC8フッ素系からC6フッ素系の撥水剤へ移行しているがその分、撥水機能の低下や風合いが硬くなるという課題も発生していた。

こうした一連の問題点を解消するために開発されたのが「デルタ®2000」。スポーツ分野ですでに展開している高捲縮の特殊嵩高糸「デルタ®」を使用し、水と空気の分子のちょうど間の大きさの織組織を開発した。高捲縮のため糸自体が膨らみやすい性質を持っており、凹凸が良く目立つ織組織だ。空気は通すが水は通さない織り目で、耐水性を持つ。糸の高嵩高性により撥水剤を使わずに撥水性能を持たせることに成功した。後加工をしていないため、風合いも柔らかだ。ちなみに透湿性はノンコーティングで1万g/㎡24h以上を達成している。

「デルタ®2000」の販売目標は2014年度で10万m。3年後の2017年度には50万mを目指す。スポーツのほか、ファッションやユニフォームへの採用も計画する。