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アシックス ベースボールビジネス
リニューアル元年は20%増で推移
従来と異なるアプローチが奏功

update: 2014/03/10

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ダルビッシュ有選手を起用した広告イメージ。 新しいアプローチで差別化を図った

ダルビッシュ有選手を起用した広告イメージ。
新しいアプローチで差別化を図った

アシックスが2013年シーズンから全面刷新して再強化を図った国内ベースボール事業。リニューアル元年は前年比20%増で着地する見通しだ。軽さや速さに焦点を絞った商品企画が小売店やエンドユーザーに広く支持されたという。

ブランドの認知度が高まる

長らく、シューズを除くグラブなどの用具類で展開していた「ローリングス」ブランドのライセンス契約を終了し、アパレルを含め「アシックス」ブランドへ統一した同社。2012年11月、ハイエンドモデルの「gold stage」(ゴールドステージ)を皮切りに、「アシックス」ブランドのロゴが付いた野球用品の販売を始めた。スタート時はオフシーズンということもあり動きは鈍かったが、シーズンに入るとプロモーション活動の効果もあり、一時は供給が追い付かず品薄状態に陥ったこともあった。13年7月ごろから売り上げは上向き始め、その後は堅調な推移だという。

「アシックス」ブランドのリニューアルに対する市場の注目度は高い。差別化・独自性発揮のために「軽量、スピード感」に開発の軸足を置いたが、そのコンセプトが小売店やエンドユーザーに伝わった。国内ベースボール市場は縮小傾向だと見るが、着実にシェアは増えたようだ。

支持された理由について、「職人気質の売り出し方が多かった従来の野球用品だが、広告イメージに使った“ラボ”(研究所)に象徴されるような、異なる(商品開発の)アプローチを採ったことが大きかった。科学的見地をイメージしたが、うまく浸透したと思う」(アシックスジャパン、森貞樹 ベースボール事業部長 兼 シューズ・EQ企画開発生産部長)と分析する。

2月末からは、用具使用契約を結んでいるメジャーリーガー、ダルビッシュ有選手を起用したテレビCMもスタートした。具体的な反応はこれからだと言うが、従来の日本の野球のイメージを変えようという意図が感じられる。「商品開発に加え、どういったPR活動を展開するのかも取り組み課題だった」(森 事業部長)。同社が実施したブランド調査では、2012年に3.7%だった「アシックス」ベースボールの認知度が、2013年には25%まで高まったという。