TOP > 企業レポート > 旭化成せんい スポーツライフスタイル市...

旭化成せんい
スポーツライフスタイル市場への挑戦

update: 2014/02/24

アシックスと協業した「モーションサーモ」

アシックスと協業した「モーションサーモ」

旭化成せんいがスポーツライフスタイル市場への自社素材の拡販を進めている。2013年秋にデビューしたアシックスの機能アンダーウエア「MOTIONTHERM」(モーションサーモ)がその一例で、カジュアル要素を含んだスポーツカジュアル=スポーツライフスタイルと呼ばれるカテゴリーの開拓を模索している。

着心地を重視、キュプラ素材を採用

アシックスでは自社のオリジナル素材「サイバーウオーム®」として他社との差別化を狙っている。旭化成せんいのキュプラ素材にポリエステルとポリウレタンを組み合わせた素材で、吸湿発熱機能のほか、汗をかいても肌離れの良い点が特長。秋冬シーズンの肌着市場では吸湿発熱は定番機能になっているため、アシックスも付加価値と差別化を狙い、着心地をアピールできるキュプラ素材に着目した。

「モーションサーモ」はアシックスが秋冬シーズンのアパレルの柱に位置付ける商品群。ジャケットやパンツなど肌着以外のアイテムも多数、揃えている。「サイバーウオーム®」は「モーションサーモ」のジャケットやパンツ、ネックウオーマーなどにも採用されている。

肌着を軸に、来期も継続展開

今回の経緯は、約10年前から旭化成せんいが看板商品であるキュプラ素材「ベンベルグ」を肌着市場へ拡販していった延長線上の取り組みである。「モーションサーモ」に使用されたキュプラ素材は「ベンベルグ」ではないが、かねて「スポーツカテゴリーも強化したいと考えていた」(旭化成せんい ベンベルグ事業部、橋本薫ベンベルグ営業部長)という。しかし多量の汗をかく競技シーンにはあまり適さない素材だった。

そこで浮上してきたのがスポーツライフスタイル。特に肌着ではキュプラ素材の長所を生かすことができると考えた。アシックスとの協業が実現したのも、肌着がキーアイテムだったからだという。一過性のものではなく、「数シーズンかけて育てていくスタイル」(橋本部長)だ。

2014年秋冬シーズンでも同様に、「モーションサーモ」での展開が続く。2015年春夏シーズン向けのものづくりも進んでいるという。