TOP > 企業レポート > エスエスケイエンタープライズ 「フェー...

エスエスケイエンタープライズ
「フェールラーベン」 2014年春夏シーズン
100%インポート品へ移行
本国の世界観選出を狙う

update: 2013/09/05

インポートの世界観を前面に押し出す

インポートの世界観を前面に押し出す

エスエスケイエンタープライズ(大阪)が手掛けるアウトドアブランド「フェールラーベン」は2014年春夏から、取り扱い商材をすべてインポート品に移行する。13年秋冬シーズンまではライセンス品を展開するが、来春からはよりブランドの世界観を演出するため品揃えを一新する。

山ガールテイストから脱却

同ブランドは日本市場を除けばすべてインポート品を販売していた。顧客の志向が細分化していてインポート品だけでは対応が難しいと考えられていた日本市場では、エスエスケイエンタープライズが日本向けの商材を独自に企画・生産する体制を継続していた。

「カンケン」バッグも重要なアイテムの1つ

「カンケン」バッグも重要なアイテムの1つ

2014年春夏シーズンからは、スウェーデン本社が企画・生産した商材をインポートし、日本市場で販売する。日本では数年前ブームになった「山ガール」の影響で、レディスアウトドアウエアがカラフルになる傾向がある。次シーズン以降の「フェールラーベン」ではレディスウエアも機能性に軸足を置いたベーシックテイストの商品群に様変わりする。サイズはアジア仕様に置き換えて企画するため、不安はないと言うが、今までの日本市場の売れ筋商材とは異なるアイテムが増え、一時的に売り上げが下がる懸念は否定できない。

同社では主要顧客を再度捉え直すいい機会だと考えている。商材のリニューアルにより離散する顧客もいることは想定内で、むしろ新規顧客の開拓に力を入れようとしている。綿主体の布帛生地を使い、蠟引きで撥水機能を付加する「G1000」シリーズは引き続き展開する。また、幅広い客層に支持されているバックパック「カンケン」シリーズも引き続き好調だ。

現在、展開している店舗は直営店と卸ビジネスの2つ。セレクトショップへの展開も続けている。インポート商材に移行することにより、顧客層が変わってしまうという不安は付きまとうが、ブランドの持つ本来の世界観をしっかり発信していくという方針に一本化した。

来春のインポート商材への移行を控え、既存店舗の展開の仕方をテコ入れしている最中だ。店名をはじめ、品揃えまで一新されるため、来シーズンは同ブランドの再スタートとともに、新しい顧客を開拓する必要のある重要な節目の1年になる。