TOP > 企業レポート > ミズノのベースボールビジネス 今シーズ...

ミズノのベースボールビジネス
今シーズンは、103%と健闘

update: 2018/12/19

グラブでけん引役になった 「グローバルエリート」

グラブでけん引役になった
「グローバルエリート」

ミズノの今シーズン(2018年度)の野球関連ビジネスは、12月初旬までの累計で、前年同比103%と堅調な推移だ。慢性的な少子化に加え、いわゆる草野球チームが漸減するなど決して市況は好転していないが、健闘を見せた。通期では前年並みの業績を目指す。

グラブとバットがけん引役に

けん引役になったのは、グラブとバットで、いずれも同110%と2ケタの推移である。グラブはすぐに使えるという軽快感が特長の「グローバルエリート」が好調に推移した。甲子園の高校野球大会などに合わせて実施したプロモーションも後押ししたようだ。バットでは、軟式バットの「ギガキング ゼロツー」が相変わらず好調である。

苦戦したのはフットウエアとアパレル関連。フットウエアは同98%とやや低調だった。スパイクシューズは金具、ポイント共に堅調だったが、トレーニングシューズがランニングシューズとの競合で落ち込んだ。アパレルは同95%と苦戦した。アンダーウエアやソックスなど、消耗品の単価が下がっていることが影響しているようだ。

販路別では、大型店が同101%と復調してきている。特に9-11月の今秋の商戦が好調で、8月以降に投入したジュニアモデルもプラスに働いているという。スポーツ店は同97%で、ネット販売に押されている傾向が強いようだ。

利益面で改善が進む

バットでは、 軟式の「ギガキング ゼロツー」が好調

バットでは、
軟式の「ギガキング ゼロツー」が好調

利益面では、改善が進んでいる。専門性を高めた契約店舗「ミズノBSSショップ」も貢献している。リペアや接客スキルなど、一定の水準に達した店舗にのみハイエンド品「ミズノプロ」を卸す仕組みで、価格競争が沈静化し、ブランドの価値向上にもつながった。こうした取り組みも奏功し、営業利益段階で前年同期比200%と利益が倍増している。

苦戦しているアパレルでは、「価格競争には手を出さない」(ダイアモンドスポーツ事業部、斎藤真一 事業企画管理部長)。機能性を付加した差別化商品で、着実に顧客を開拓していく構えだ。来シーズンは練習着において、フィット感のある新製品を投入予定である。また、他社と比べて出遅れていた昇華プリントのユニフォームも、生産・販売体制が整ってきた。上代はやや高めだが、幅広い商品ラインナップを武器に巻き返しを図る。

そのほか、強化すべき点はブランド観の構築やコミュニティーの創出。用具使用契約を結ぶプロ選手(ブランドアンバサダー)の活用をはじめ、デジタル、SNSを使ったユーザー同士のコミュニティーの構築も視野に入れている。また、観戦者層を想定したトレーニング品やグッズ類の企画・販売も健闘している。野球ファンの意見を採り入れたアイデア商品も開発が進んでいる。