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帝人フロンティアとスポーツセンシング
ウエアラブルの新会社「帝人フロンティアセンシング(株)」を設立

update: 2018/05/02

帝人フロンティアと(株)スポーツセンシング(福岡市)が先月4月、ウエアラブル事業を手掛ける合弁会社「帝人フロンティアセンシング株式会社」(福岡市)を設立した。“スポーツ、ヘルスケア分野”を対象にしたウエアラブル製品の開発を目指す。

今年末をめどに、機能スーツを発売予定

新会社の「帝人フロンティアセンシング(株)」は、身体運動や生体信号を計測する機器やシステム、アプリケーションの開発を手掛けるスポーツセンシングと合弁で設立した。スポーツセンシングは、スポーツ関連の企業や学術基幹、競技団体のほか、国立スポーツ科学センター(日本スポーツ振興センター)が主な取引先。

株主比率は帝人フロンティアが90%、スポーツセンシングが10%。帝人フロンティアセンシングに社長には、スポーツセンシングの澤田泰輔代表取締役社長が就任。本社をスポーツセンシングの本社がある福岡市に置いて、帝人フロンティアと共同で開発を進める。

従業員は8人。帝人フロンティアの繊維技術と、スポーツセンシングのセンシング技術を融合、活用し、東京五輪が開催される2020年へ向けて、スポーツ競技向けのウエアラブル製品を開発する。同時に、蓄積されたデータを活用し、情報提供サービスも展開する予定だ。

スポーツ競技分野では、心拍数や走行距離、スピード、加速度などを測定する機能、または3Dセンサーを使用した動作解析や視覚化を想定している。2018年末をめどに発売を予定しているのが、「Motion Sensing Suite」(モーションセンシングスーツ)。高機能素材と高機能センシング技術を応用した“着る”測定機能ウエアで、既存品と比べ、複数の人の動きを同時に測定し、比較することが可能だ。また測定の速度、精度も向上しているという。

またスポーツ競技シーンのほか、屋外の労働者や職場の労働状態、公共乗り物の運転手のサポートなど、一般の労働者へもウエアラブル製品を開発・販売する計画だ。そのほか、健康シーンでは、リハビリ支援や健康増進などをサポートする機器を開発する。帝人フロンティアはウエアラブル事業において、グループ全体で2025年には売上高100億円を目指す。