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ミズノ、大阪体育大学と連携協定
スポーツ産業に関する包括的な取り組みを推進

update: 2018/03/23

連携の調印後、記念撮影に応じる ミズノの水野明人社長(右)と 大阪体育大学の岩上安孝学長(大阪体育大学にて)

連携の調印後、記念撮影に応じる
ミズノの水野明人社長(右)と
大阪体育大学の岩上安孝学長(大阪体育大学にて)

ミズノが3月22日、大阪体育大学との間で、スポーツを通じた社会貢献や振興を目的とした包括的な取り組みを共同で推し進める連携協定の締結式を行った。日本版NCAA(後述)も視野に入れた、新しいスポーツ振興の可能性を追求する。

スポーツに関する活動をトータルで活性化目指す

この協定は、スポーツの産業、教育、地域振興など、幅広い分野の活性化を目指した内容だ。ミズノはかねて、“より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する”という経営理念を掲げているが、こうした価値観が大阪体育大学と合致したことも、今回の協定締結の後押しになった。

同協定では、①地域における健康作りや地域活性化に関すること、②教育・体育・スポーツ分野の研究に関すること、③スポーツ文化の振興に関すること、④大学スポーツの振興と人材育成に関すること、の4点を重点取り組み課題にする。

具体的には、大阪体育大学のキャンパスがある大阪府泉南郡の熊取町と連携し、シニアやジュニア層などを対象にしたスポーツ振興の実現を進めることが取り組みの1つ。また、ミズノの“ものづくり”のノウハウと、大阪体育大学の研究結果を組み合わせて、スポーツ製品やプログラムの開発にも活用する計画だ。

既存のスポーツメーカーと大学によるこうした包括的な提携の事例では、大学チームのユニフォームをサプライし、ブランドロゴを刻印することで、メーカーのブランディングに活用する事例が多かった。今回の提携では、そうした商業面も重視するが、より大学の地域を主体に、長期的な“スポーツ振興”に力を入れる点が特徴である。

すぐに形になる取り組みが少ないため、理解しにくい点はあるが、例えば大阪体育大学で2017年度から進めている「女性アスリートにおける心理サポート実践プログラムの開発」なども、スポーツ業界に還元できる取り組みの1つ。スポーツビジネスの存在として大学スポーツを確立した米国の「NCAA」を意識した取り組みも視野に入れている。スポーツ製品の開発・販売、アスリート支援、アスリート支援を目的としたプログラムの開発など、今後、実現できる可能性の幅は広い。

その主要な取り組みの1つが、今年4月から大阪体育大学に開設される「スポーツ局」。大学スポーツをビジネスとして確立させる活動の拠点になる。スポーツ庁が提唱する“日本版NCAA”のモデル校(8校)の1つに挙げられている同校。今回のミズノとの連携がその“呼び水”になることは間違いないだろう。