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合繊メーカーのブランド戦略
分かりやすさ、知名度向上に一助

update: 2017/12/28

帝人フロンティアの 「デルタ®」シリーズ

帝人フロンティアの
「デルタ®」シリーズ

3回にわたり、2019年春夏シーズン向けの機能素材展示会まとめをレポートした。今回は番外編として、合繊メーカーのブランド戦略についてまとめる。国外のアパレル顧客へ販売する際、素材の分かりやすさやアピールポイントが明確であることが要求される。そのための一手段として昨今、機能素材のブランド化に力を入れる傾向が増えている。

エンドユーザーの認知高める狙いも

素材をブランド化する動きで代表的なものは、帝人フロンティアの「デルタ®」や、東レの「プライムフレックス®」「エントラント®」などである。両社ともに、国外市場も意識した素材だ。

帝人フロンティアの「デルタ®」は、2008年ごろから徐々に増えてきたシリーズ。編み・織り両方の素材を展開しており、スポーツシーン主体だがその応用範囲は広い。東レの「プライムフレックス®」は2017年春夏シーズンから展開し始めた。それまで同社には2WAYストレッチ素材が復讐存在していたが、より分かりやすくするためにブランドを集約。「プライムフレックス®」に一本化した経緯がある。

少し趣が異なっているのが、三井物産アイ・ファッションが保有する機能素材ブランド「PERTEX®」(パーテックス)。素材メーカーではなく商社が手掛ける機能素材ブランドだ。今年10月の展示会では、ブランド創立40周年を迎える機に、リブランディングを実施した。ロゴも書体を変えて、イメージを一新した。商品ラインナップでも、主力の「カンタム」シリーズを集約し、分かりやすくした。

「PERTEX®」の主戦場はアウトドアシーン。まだ規模は小さいが年々、ファッション系を含む新規アパレル客からの問い合わせも増えているようだ。ファッション用途、アウトドアブランドのライフスタイル=街着向け素材として、「PERTEX®UNLIMITED(アンリミテッド)」も少しずつ増えている。

また、エンドユーザーへ直接、ブランドをアピールする試みも始めている。さきごろ「PERTEX®」ブランドで公開した動画だ(下段の動画を参照)。ネットを活用した情報発信の環境が整ってきたため、こうした新しい訴求の方法も試みられるようになってきた。今後も機能素材のブランド化は拡大する傾向がある。(終り)

Episode 2 - To Become Known - PERTEX Elemental Journeys series from Pertex on Vimeo.

 (年内は12月28日で配信終了。年明けは1月4日から再開します)