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ミズノのベースボールビジネス
厳しい市況続くも、少年や軟式が健闘

update: 2017/12/19

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利益面が改善した ベースボールビジネス

利益面が改善した
ベースボールビジネス

ミズノの主力事業の1つであるベースボールビジネス。2017年シーズンは少子化などマイナス要因も重なり、厳しい市況下で苦戦を強いられた。客単価の下落も影響したようだが、少年野球や軟式野球など一部で健闘した分野も見られた。

シリアスユーザー商材が苦戦傾向に

国内のベースボール市場では、競技人口の漸減傾向が続いている。中学生や軟式の草野球チームの登録数が減っているため、プレーから離れている人数が増えていることが予測できる。市場のシェア、「占有率が下がっている感覚はない」(久保田憲史 執行役員ダイアモンドスポーツ事業部長)というが、客単価ダウンの影響もあり市場規模自体が縮小傾向にあるとも考えられる。

シリアスユーザー向け、競技向けの商材の売り上げは前年度に続いて減少傾向だ。前述の通り1品単価が下がっていること、リペア(修理)ニーズが高まっていることが背景にあるようだ。買い替えサイクルが長くなっているため、新製品の回転率が落ちているらしい。その半面、少年野球用のグラブ、バットが前年比を超えている。軟式の大人用グラブ「セレクト9(ナイン)」も好調だった。そのほか、軟式バットの「ギガキング」が好調を持続している。

利益面──営業利益ベースでは健闘している。素材調達の際の輸入為替レートが安定していたこと、コストダウンを図れたこと、特価品が減ったこと──この3つの効果で2ケタの増益を達成している。微減収・増益といった推移である。3点目の特価品の減少は、計画的に製品を生産できるようになったことが大きい。数を作り過ぎてその結果、市場在庫が余り、無用なマークダウンにつながることが多かった。「本当に販売できる量を作ろうとしてきた」(久保田事業部長)努力が実を結んだようだ。