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主要合繊メーカー、2018年春夏展まとめ(中)
主軸素材を明確化、海外へ打って出る

update: 2016/12/20

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海外ビジネスも拡大している 帝人フロンティア

海外ビジネスも拡大している
帝人フロンティア

主要合繊メーカーの2018年春夏展示会。機能素材の採用分野はスポーツやユニフォームから、カジュアル、一般衣料へとその裾野を広げつつある。国内市場はカジュアル、一般衣料の開拓に余地がある一方、未開拓のメーカーや地域が多い海外市場への展開も徐々に増えてきた。素材開発力と商社機能を武器に、世界規模で展開するスポーツおよびアパレルメーカーへのアプローチを強めている。

海外市場開拓に積極的な帝人フロンティア

帝人フロンティアは海外市場の開拓に積極的だ。今回の18年春夏展では、「デルタ®」と「ソロテックス®」を主体に、特殊中空糸を使った軽量素材「オクタ®」シリーズをメーンに提案した。海外展開でも「デルタ®」がベースになるが、スポーツメーカーを中心に取引が徐々に増えつつある。

今期の取扱数量は海外を中心に10%ほど増えている。円高という逆風もあったが、業容は着実に拡大している。海外ビジネスは外資スポーツメーカーなどを主体にテキスタイル(生地)売りをメーンにしている。国内スポーツやアウトドアメーカーでは高機能性が求められる傾向が強いが、海外ではシンプルな機能性を求められるという。着心地の良い素材が必要になっているようで、この点は各社に共通した“快適性”という傾向に合致する。機能が分かりやすくて快適であること、軽量であることが、海外市場で求められる素材特性のようだ。

売り上げの約70%がスポーツ向けでまだまだ主力である。外資スポーツメーカーからグローバルベンダーとして認知され始めているそうだ。そのほか、10%が裏地でその他が20%。ファストファッションのスポーツラインなどへ向けた素材提供など、新しい分野の開拓はまだ余地がある。