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主要合繊メーカー、2018年春夏展まとめ(上)
“快適性”追求する傾向が顕著に

update: 2016/12/19

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東洋紡STCの着用シーンイメージ。 新素材「3250FIBERS™」を提案した

東洋紡STCの着用シーンイメージ。
新素材「3250FIBERS™」を提案した

主要な合成繊維メーカーの2018年春夏展示会が終了した。主にスポーツ市場向けの機能性素材の傾向を見ると、着用時の“快適性”を追求する傾向が顕著になっている。また、合繊と天然繊維を掛け合わせた“複合”素材の提案も広まってきた。ファッション系アパレルの機能素材に対する関心が高まっていることも背景にあるようだ。

“アスレジャー”市場はまだ小規模

この連載で取り上げるメーカーは、東レ、帝人フロンティア、東洋紡STC、旭化成アドバンス、ユニチカトレーディングの5社。2018年春夏シーズン向けのスポーツ素材の傾向をまとめている。スポーツメーカーの視点で見ると、足元は2016年秋冬シーズン、また2017年春夏展は終了しており、17年秋冬展はこれから始まる段階だ。来夏に開催される2018年春夏展へ向けて、これから商品の企画内容を詰めていくことになる。

スポーツとファッションの融合が進み、日常シーンにスポーツを採り入れたライフスタイルを指す“アスレジャー”という造語も広く知られるようになった。今回の各社の展示会でも、アスレジャーを意識した提案が散見された。しかし、既存の競技スポーツに比べるとその市場規模は圧倒的に小さい。定番品をアレンジした提案が主流で、アスレジャー向けの機能素材はほとんどないというのが現状だ。

もう1点、継続した提案方法として定着してきたのが、製品ビジネス。糸、テキスタイルを提供する従来の取引に加え、相手先ブランド生産――いわゆるOEMを手掛ける合繊メーカーが増えている。糸から製品まで、各クライアントのニーズにきめ細かく対応できるような体制を整えつつある。またその一方で、顧客を囲い込む目的もあるようだ。