新しいデニムにも、アパレルデザインにも対応する、
日東紡の「MISTICOLOR(ミスティカラー)」
日東紡は、2009~10年秋冬シーズンの自社展示会を2月18~20日に開いた。テーマは「SOU」。総合力の「総」や創造力の「創」、「爽」「装」「想」などをキーワードとする、繊維事業部門の提案と芯地の総合展だ。すべてを新しい開発商品で構成する年1回の展示会ということもあって、終日、会場はにぎわいを見せていた。
なかでも、繊維事業部門・原糸素材事業部が開発し、デニムメーカーやアパレルメーカーなどを中心に新しいプロジェクトとして提案するのが、Spining&Color technologyの「MISTICOLOR(ミスティカラー)」だ。6つの基本原色(シアン、マゼンタ、イエロー、グリーン、ブラック、ホワイト)のカラーファイバーを同社独自の技術「S&C工法」で配合する、紡績と色彩技術を融合させた新しい色彩提案といえるもの。後染めでは表現できない、カラーファイバーミックスでアーティスティックなオリジナル糸づくりが可能となる。
画期的なのは、オリジナル糸でありながら200キログラムからという少量生産が可能な点だ。200キログラムはアパレル換算で約600着、3サイズなら1サイズ約200着の生産量となり、在庫リスクも低減できる。小規模のアパレルメーカーやブランド単位でよりオリジナリティを追求したり、新しい企画にもチャレンジしやすくなるというわけだ。
もうひとつ、糸~製品までの染色加工期間の短縮により、生産スパンを大幅に短縮できる利点も大きい。さらに、新しく導入したデジタルシミュレーション(ユカアンドアルファのシステム)による、ミスティカラーの糸イメージ、テキスタイルイメージはもちろん、それらを着用したイメージを確認できるアイテムシミュレーション機能も合わせて提案していくという。
「紡績企業ですから基本的には糸を提案しているわけですが、ジーンズの素材開発にとどまらず、アパレルデザインの企画から製品化に合わせた生産体制が新たな提案を可能にしています。ミスティカラーは織地だけでなく、編地にも対応し、柄ものの糸や色、組織を変更することも容易にできるなど、アパレルデザインを多角的に力強くサポートできるシステムです」と、繊維事業副部門長の中原 強原糸素材事業部長は自信をのぞかせる。
ファッションマーケットの活性化には、各分野が専門力や技術力を高めることも必要だが、業界の垣根を超えた新しいものづくりのスタイルがあってもいい。いろいろなところでそんな模索が始まっている。
(有限会社ビジョンクエスト・田中千賀子)