「東京ファッション産業機器展(FISMA2008)」が開催、
島精機製作所はバージョンアップした自動裁断機を展示
2008年12月9日(火)~10日(水)、東京都・東京都ミシン商工協同組合が主催する「第47回 東京ファッション産業機器展(FISMA2008)」が東京ビッグサイトで開催された。今回のテーマは「モノづくりの歴史=ジャパン・スペック~安心、安全、そして信頼へ~」。76社が出展する会場では、あちらこちらで実演が行われ、終日にぎわいを見せていた。
人気ブースのひとつ、島精機製作所では、サンプル生産やイージーオーダーなど、極めて小ロットで短納期の生産に大きな威力を発揮する超高速で高精度な一枚裁断機「P-CAM®160」と、高効率、高生産、高品質を実現する積層式自動裁断機「P-CAM®181」を展示し、新機能を実演でわかりやすくアピールした。他にも、3Dシミュレーションによる新たな企画提案スタイルを可能にする、3Dアパレルデザインワークステーション「SDS®-ONE APEX」なども展示していた。
裁断幅1,600mmの自動裁断機「P-CAM®160」は、ヘッド部に装備した高性能カメラにより映し出された生地の位置が液晶モニターで確認でき、マーキングデータと実際の柄位置をモニター上で補正することで、格子柄などの柄合わせ裁断が容易かつスピーディに行えるようになった。加えて、他社の裁断データも編集可能だという。
裁断幅1,800mmで33mmの生地厚裁断が可能な「P-CAM®181」は、コンベアを吸引室内に内蔵することで生地送り時の吸引が可能となり、生地を送りながら裁断することが可能となった。フィルターボックスやダストボックスも改良され、プロワー用ホースの経路が簡略化、メンテナンス性が向上している。さらに、新しい自動研磨技術によってナイフの本来の切れ味もアップ、裁断精度も高まっている。
また、先ごろ開かれた家具展では、半革から丸革まで用途に合わせた裁断を実現する革製品の理想的な一枚裁ち自動革裁断機「P-CAM®160L」を展示したという。同社ならではの、多様なニーズに対応する新機種開発により、アパレルを中心に多くの生産現場をサポートする体制を強化している。
なお、2009年1月30日~31日には、大阪府ミシン商業協同組合主催の「大阪ミシンショー」が開催される予定だ。
(有限会社ビジョンクエスト・田中千賀子)
アパレルビジネスを見直そう!!
モノづくり・販売・働く人と課題は山積
早いもので今年もあと1ヶ月で終わろうとしている。
今年度の最大のトピックスといえば今秋に始まった世界的金融不安による不況の到来だろう。アメリカ発の金融不況であるとはいえ、日本にも確実に影響を与えており景気が悪化している。
この不況をアパレル業界に限って見てみると、すでに2007年夏から洋服・服飾雑貨の売れ行きは確実にトーンダウンし始めていたが、今回の金融不安がトドメを刺したといえる。昨年前半までは「低価格と高額ブランドに消費は二極化している」といわれてきたが、今年に入って高級ブランドの売上高にかげりが出始めていた。
その一例は「フェラガモ」が今年6月に7〜10%の値下げをしたことが挙げられる。これまで無敵を誇った「ルイ・ヴィトン」でさえも売り上げがトーンダウンしていたとのうわさもある。
今年11月には「フェラガモ」は円高などの理由も含めてさらに1割程度の値下げを発表、同じく11月27日には「ルイ・ヴィトン」も7%の値下げを打ち出した。「スーパーブランドは不況知らず」という神話もすでに崩壊しているのである。
一人気を吐いているのは低価格の代表ブランド「ユニクロ」で今8月期連結決算は売上高5864億円(前期比11・7%増)、経常利益856億円(同32・7%増)と大幅な増収増益を達成した。秋口以降は消費者のデフレ志向が強まっており、「ユニクロ」の好調ぶりがさらに続きそうだ。
残念ながら、今、アパレル業界は経営危機の話題であふれている。今秋の金融危機の訪れによって、さらに深刻なものになっているという。
新しい年が明けても経済環境は厳しさをさらに増しそうであり、消費はいっそう落ち込むことは間違いない。そうした中、ある意味において、「ユニクロ」商品が価値の判断基準となるかもしれない。いわばアパレル各社が中〜高価格帯で商品を販売するとした時、色、柄、デザイン、素材感のどれか1つでも「ユニクロ」を上回ることが必須ではないだろうか。「ユニクロ」商品のすべてが良いとは思わないが、セーター、ダウンジャケット、Tシャツ類などは価格に対する付加価値(色柄、デザインを含める)は、ブランド品を凌駕するものも見られる。
来年はアパレル各社にとって物作りのあり方、売り方だけではなく、社内の雇用形態までを見つめなおさなくてはならなくなるだろう。
(ジャーナリスト 南 充浩)