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どうなる、どうするアパレルの中国生産
ユニクロも一部他国へシフト始める

製品の検針作業を行う中国女性

製品の検針作業を行う中国女性

 中国からのアパレル製品の輸入には課題が増え、さらに複雑化しそうだ。以前からも、中国はやがては人件費が上がり、コストプッシュ要因が深刻になるとも言われていたが、いよいよホンモノになってきたようだ。現場の中間管理職以下の一般縫製作業者などの賃金は約1,500元(約2万円)程度にまで上がり、社会保険や独身寮などの付帯経費を勘案すると、以前の2倍以上の採算ポイントにまで上昇しているともいう。これだけ上昇した給与でも、旧正月明けには職場に戻ってこない労働者も多いという。アパレル以外にお職種へ転職していることも多いようだ。内陸部からの新たな出稼ぎ労働力供給は意外に少ないし、一方での内陸部への工場進出もトラック便などインフラ整備の遅れから、急にはシフトできないようだ。

折からユニクロは、南アジアのバングラディッシュに作られる80億円規模投資の工場への出資を発表している。09年に縫製工場を、翌10年には紡績、織物工場も立ち上げる計画だ。これを手始めに従来90%を超えていた同社の中国での生産手配を比率としては66%程度までに落とすという。万一の場合の政情不安などを含め、一国集中のリスクを回避する狙いもあるかも知れない。

もちろん中国側でも努力は怠っているわけではない。中国全体での倒産増加、失業者急増をチャンスと見て、アパレル産業への就職を再度促すなどの施策もあるようだ。また要求度の高い日本のアパレル発注に対応するべく、高付加価値、短サイクル、しかも小ロットでの採算性の良い生産ラインへ切り替えるなどの戦術変更も見られる。現在一時的には 円安、ドル高に呼応した為替レートに若干救われている面もあるが、それも長い目で見ると「元」の切り上げ高への趨勢は避けようもなく、将来欧米を含めた衣料品の世界消費需要が回復したとしても、新たな課題は多く残される。

1980年代以降、経済特区の設定や改革開放の実践で基礎を固め、1990年代の「超円高」時代以降に急激に伸びてきた中国の対日アパレル輸出だが、ここへ来て大きな曲がり角へさしかかった。現場でのさらなるコスト合理化、付加価値製品の開発などの地道な努力が次の手立てだろう。