伝統的な藍染め文化と日本人の感性がジーンズを発展させたジャパン・ブルーのすごさ
日本ジーンズ協議会は、「ジャパン・ブルー展示会」を9月1~3日、東京ミッドタウンのイベント会場で開いた。日本人がDNAとして先祖から受け継いでいる藍染めのルーツを現存する伝統的な羽織り物に見出す一方、ジーンズ製品のためのさまざまな付属や加工の最先端技術を展示、また、安心・安全を保障する製造過程での環境負荷の低減や社会責任を伴う高度な技術開発の現場レポートなど、過去から未来へとつながるジャパン・ブルーのものづくりを世界に向けて発信。業界関係者のみならず、日本のデニム文化に興味を持つ多くの人たちに伝えたい内容をジーンズ業界が一丸となって多角的な視点からまとめている。
デニム素材をピンワークでドレスに魅せるディスプレイが印象的。
ブルーデニムによるソフト & エアリーでフェミニンなウェディングドレス
会場内は藍染めの歴史と、日本のジーンズづくりにまつわる最先端技術を展示。ジャパン・ブルーのすべてを世界にアピールしていく
ジーンズはアメリカを起源に日本へ伝わったが、デニムそのもの、つまり、藍染めの日本における歴史は古い。一説には、14世紀以降の戦国時代、鎧(よろい)や兜(かぶと)のアンダーウェアとして藍染めの素材が使用されたと言われている。そして、いつの時代も藍染めはあらゆる階層の人たちが着用し、生活に深く根差してきたのだ。
現在では合成インディゴ(古いインディゴと同じ成分)を活用し、色を組み合わせたり、濃度を変えたり、安定させたりと48種類の色相が継承されている。また、ジーンズをやわらかく、はきやすくするために施した洗い加工のストーンウォッシュやブリーチなどの付加価値加工は日本が発明した技法。さらに、付属品も商品開発力で世界のトップレベルを誇る。
今回の展示でとくに興味深いのが、そうした「日本でなければできないもの」を一堂に集めた点だ。それぞれの分野の、それぞれの企業にデザイナーが在籍し、ものづくりの背景を持つ。ゆえに、本質と本物をつくりだす感性と技術があり、ジーンズが出来上がるまでの染料の背景や洗い加工などにおいても、絶妙なバランス感覚が独特の味として高く評価されている。
「日本のジーンズにおけるものづくりの歴史や高度な技術、考え方を世界に向けてアピールしていくのが展示会の大きな目的です。そのためには、単なる工業製品ではなく、仕事に対するプライドと姿勢を守り、日本人の感性をデザインに活かしたオリジナルで新しいものをつねに開発していかなければなりません。そうした各社の挑戦と業界の連携があってこそ、今後の可能性や将来性をさらに広げていくことができると考えています」(エドウイン小林道和専務取締役)
先へ、一歩先へ、歩み続けるジャパン・ブルーの底力を見せつけた、これまでにない斬新な展示会だった。
(有限会社ビジョンクエスト・田中千賀子)