新しい都市空間設計への期待? 都心型SCの未来
2012年に完成予定の東急渋谷駅は未来の都市空間を予見させる構造だ。安藤忠雄氏のプランによる「地下に浮遊する宇宙船」と名づけられているこの建造物では、電車の駅が巨大な地下空間にすっぽりと入り込む。地上とは巨大な吹き抜けの穴でつながり、従来型のダクト換気ではなく温度差を利用した対流式の自然換気が図られるという。空調エネルギーの無駄を省くエコ精神も背景だ。
実は同氏は2006年に完成した「表参道ヒルズ」でも家並の低い周辺環境に合わせて高層式のビル建築ではなく、地下へ掘り下げるアトリウム方式のファッションビルを生み出している。
「街作り3法」により郊外への大型出店から締めだされた感もあるSC(ショッピングセンター)の開発、都心立地への回帰傾向が盛んだ。しかし土地に余裕のない大都市系では用地確保に限度がある。高層化して「空へ」という方向の他に、いわば身近な「地下へ」、それも従来型の「地下街」型ではない新しい建築技術での商業施設開発が始まりそうだ。渋谷駅プロジェクトは商業施設ではないが未来を占う空間設計の手法だ。