ファーストリテイリング、2018年8月期 第2四半期 連結決算
主力の「ユニクロ」事業が好調、増収・増益を達成
update: 2018/04/13
《財務分析レポート》
ファーストリテイリングの2018年8月期の第2四半期(9-2月)の連結決算は、主力の「ユニクロ」事業が国内外共に計画値を上回る推移で好調だったこともあり、増収・増益を達成した。海外ユニクロ事業の売上規模が国内を上回り、収益面で大きなけん引役になりつつある。そのほか、ジーユー事業も堅調な推移だった。
アジア圏が好調に推移
連結売上収益は1兆1,867億円(16.6%増)と2ケタの増収だった。営業利益も1,704億円(30.5%増)と増益を達成した。国内ユニクロ事業の売上収益は、4,936億円(8%増)、営業利益887億円(29%増)で増収・増益だった。特に、冬物の値引きロスが先勝したこともあり、売上高総利益率(粗利率)が49.3%(0.7ポイント増)と改善した(表1を参照)。
海外ユニクロ事業も売上収益5,074億円(29%増)、営業利益807億円(65%増)の増収・増益で、国内とほぼ同じ収益規模にまで成長した(表2を参照)。全エリアで計画値を上回った。商品構成の見直し、販売計画の精度向上、プロパー重視といった施策が功を奏したようだ。Chinaを中心に台湾や香港、韓国などアジア圏が好調だった。また、欧州は計画値を上回る増益、米国は赤字幅の縮小が進んだ。
ジーユー事業は売上収益が1,058億円(8%増)、営業利益91億円(23%増)と好調に推移した。営業利益が計画値を上回った。既存店はやや計画値を下回った。国内ジーユー事業では、防寒衣料のアイテム数が不足した。
アジア圏、欧米地域の収益を拡大
グローバルブランド事業は増収を達成したが、コントワー・デ・コトニエ事業、およびセオリー事業傘下のヘルムートラングの減損損失が発生した影響で、56億円の営業損失を計上するに至った(表2を参照)。
今後もアジア圏および欧州・北米の伸び代が大きいと考え、こうした開拓の余地がある地域を強化する。また、EC(Eコマース)の売上規模も、2022年度(2022年8月期)には現状の9%から2倍以上に拡大させる方針だ。ユニクロ事業では、2017年度の売上収益1兆5,400億円を、5年後の2022年度には2倍にする計画だ。
通期の業績見通しは、上期の好調を受けて上方修正している。連結売上収益は2兆1,100億円(13.3%増)、営業利益が2,250億円(27.5%増)、税引前利益が2,170億円(12.2%増)の増収・増益を目指す。
(樋口尚平)