武田のテキスタイルビジネス
自前のデザイン・生産機能が強み
update: 2018/02/26
《企業レポート》
田村駒のグループ企業で、テキスタイル関連ビジネスを手掛ける武田株式会社(大阪市中央区)。生地のプリントを主体に、OEMやODMなど製品ビジネスも展開している。水着用途などストレッチ素材への転写プリントなどを得意にするほか、手捺染の水着も企画している。
増える小ロット・多品種に対応
純然たる生地売りは20%程度で、現在では売り上げの約半分をOEMやODMなどの製品ビジネスが占めるまでになった。昨今、水着やスポーツウエアなどで急速に増えている昇華転写プリントだが、大量生産型ビジネスとは一線を画した手法で、市場における定位置を占めている。
取引先はスポーツメーカーや水着メーカーなど、合繊(ポリエステル素材)のストレッチ素材を採用することが多いアパレル関連企業が主体。小売店のプライベートブランドを手掛ける例もある。自社でデザイン機能からパターン作成、プリントまで行うことができるほか、協力工場とのネットワークで製品を提供することも可能だ。
本社内で作成した図柄を用い、自社の工場でストレッチの生地に転写プリントする。ストレッチ性のある生地はその性質上、プリントの際、柄がずれるなどのトラブルが起こりやすい。図からの印刷や転写プリントの作業時には、カスタマイズした生産機器・ラインを使用している。安定品質やリードタイムの短縮につながっている。
また10年以上前から、京都の染織工場などと協業した手捺染のフィットネス水着も展開している。手間暇のかかる手捺染の生地を使用していることもあり、少量生産で通販向けに限定している商品だが、年配の女性を中心にリピーターが付いている。
今後もこうした小ロット・多品種のプリント生地の提供に力を入れる。スクールやチームウエアなど、小ロット・多品種の体制が必要な分野の拡大も期待できる。
(樋口尚平)