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主要アパレル機器企業4社、2016年度 決算まとめ
円高の影響あるも、アジアや欧米で増収基調に

update: 2017/06/14

《財務分析レポート》

島精機製作所・ペガサスミシン製造 ・ブラザー工業+JUKI、 2017年3月期 財務諸表(表1)

島精機製作所・ペガサスミシン製造
・ブラザー工業+JUKI、
2017年3月期 財務諸表(表1)

ミシンや編機など主要アパレル関連機器企業4社の2016年度決算が出揃った。円高や市場開拓の進捗度により、各社で業績に差が見られる。増収増益を達成したのは1社で、増益を達成したのは3社だった。

各社で明暗が分かれる

対象にした企業は、島精機製作所、ペガサスミシン製造、JUKI、ブラザー工業の4社(順不同)。島精機とペガサスミシン、ブラザー工業が3月期、JUKIが12月期である。ブラザー工業が当期(2017年3月期)から国際会計基準(IFRS)へ移行している。そのため同社のみ、純然たる前年対比が出来ない個所がある。表1の財務諸表には、日本会計基準の前期数値を列挙しているので、それを参考にされたい。

島精機製作所は増収増益を達成した。主力の横編機がアジア地域を中心に好調な推移だったほか、欧州地域でも2ケタ増と健闘した。期中の販売台数も1万4,473台(4,426台増)と過去最高を達成した。無縫製ニットの「ホールガーメント®」も707台(151台増)と好調に伸びた。今期はその「ホールガーメント®」で、1,200台の販売計画を立てている。

ペガサスミシン製造は円高の影響を受け減収したものの、原価率の改善や操業の効率アップなどが貢献し、増益を達成した。なお、現地通貨ベースでは増収を達成している。主力の工業用ミシンが堅調で、バングラデシュやインド、スリランカなど新興のアジア地域がけん引役になった。

JUKIは円高の影響も受けて、減収減益になった。主力の縫製機器では黒字を確保した。工業用ミシンは日本と欧州市場が健闘した。中国市場が減速した半面、ペガサスミシンのようにバングラデシュやインドネシアなど新興のアジア国や欧米で売り上げが伸びたという。今期を初年度とする中期計画を策定し、2019年度に売上高を約1,270億円、経常利益率6%以上を目指す。

ブラザー工業は円高の影響で減収に至ったが、為替の影響を除くと3.8%増と堅調な推移で、実質的には増収増益である。マシナリー部門の工業用ミシンは東南アジアの需要が伸び悩んだ影響で、268億円(2.4%減、為替の影響除く)とやや苦戦した。パーソナル&ホームの家庭用ミシンは444億円(3.2%減、同)と減収に至った。通期ではマシナリー1,026億円(12.8%増)、パーソナル&ホームは492億円(10.8%増)といずれも2ケタの増収を目指す。

(樋口尚平)

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