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財務分析レポート
H&M(Hennes & Mauritz) AB、2016年11月期 連結決算
増収するも、マークダウンの増加などで減益に

update: 2017/02/02

2016年11月期 財務諸表(表1)

2016年11月期
財務諸表(表1)

「H&M」ブランドなどのカジュアルアパレルショップを展開するH&M(Hennes & Mauritz) AB(ヘネス・アンド・マウリッツ、以下H&M)の2016年11月期(2016年度)連結決算は、新規店舗の増加などで増収を達成したが、期中のマークダウンの増加もあり減益に至った。また、日本をはじめ新たに11の市場でECビジネスをスタートした

今期も新店出店とEC展開を強化

連結売上高は、1,922億6,700万スウェーデンクローナ(約2兆3,072億400万円、1クローナ=12円で換算、VAT=付加価値税を除く)、6.3%増。売上高総利益率(粗利率)はマークダウンの増加などの影響で、55.2%(1.8ポイント減)と減少した。それに伴い、営業利益が238億2,300万スウェーデンクローナ(約2,858億7,600万円、同)、11.6%減と減益になった(表1参照)。

財務関連の数値では、商品回転率が0.5ポイント減少したほか、粗利率の低下もあいまって、交差比率が低下している。資本回転率はほぼ前年並みだった。有利子負債の増加でD/Eレシオが微増しているが、0.1倍以下と正常値内にとどまっている。利益額が減少したことで、効率面が低下した。

2016年11月期 地域別売上高(表2)

2016年11月期
地域別売上高(表2)

期末の店舗数は4,351店(427増)。主力業態の「H&M」が352店増えたほか、「COS」が194店(41増)、「Monki」が12増と拡大した。EC店舗は35店に増加した。日本市場では66店(11増、2減)に店舗網が拡大した。

地域別の売上高では、主力の「Germany」(ドイツ)が371億7,400万スウェーデンクローナ(約4,460億8,800万円、同)、0.6%増とほぼ前年並みの推移だった。2番手の「USA」(米国)は268億7,400万スウェーデンクローナ(約3,224億8,800万円、同)、6.9%増と健闘した。UK(英国)およびFrance(フランス)は苦戦傾向だった。日本市場は46億スウェーデンクローナ(約552億円、同)、22.5%増と好調な推移だった。現地通貨ベース=日本円の増減率は9%増だった。

今期は引き続き、約430店舗の新規出店を推し進める。カザフスタンやコロンビア、アイスランド、ベトナムなど5つの新規市場へ出店する計画だ。「H&M」の“オンラインマーケット”では、トルコや台湾、香港など6つの市場へ進出する。また、1~2の新ブランドの展開も計画している。                                   

(樋口尚平)

 

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