財務分析レポート
グンゼ、2017年3月期 第2四半期
デリバティブ評価損で損失計上するも、アパレルは好調に推移
update: 2016/11/04
グンゼの2017年3月期第2四半期(上期)連結決算は、デリバティブ評価損で損失を計上するも、「アパレル」事業は増収増益と好調に推移した。レッグアイテムが103%と健闘した。プラスチック関連の苦戦で「機能ソリューション」事業が減収した。通期見通しは売上高を下方修正したが、利益面は据え置いている。
「YG」「BODY WILD」「KIREILABO」が貢献
アパレル事業の売上高は347億円(3.7%増)、営業(セグメント)利益は15億円(61.4%増)で増収増益だった。構造改革やブランド刷新の効果が表れ、メンズの「YG」(ワイジー)、「BODY WILD」(ボディワイルド)、レディスインナーの「KIREILABO」(キレイラボ)などがけん引役になった。なお第2四半期から、ジーンズカジュアル小売店のダンと(有)伊達デパートを連結対象に加えている。ダンの上期業績は14億円だった。
レッグではストッキングの「SABRINA」(サブリナ)などが定番の拡大で好調に推移した。「快適工房」はリニューアル効果が一巡した影響で苦戦傾向だった。なお、インナー事業は175億円(100%)、レッグ事業が100億円(103%)。夏物商材は、残暑の影響で消化が順調に進んだ。
機能ソリューションでは、縫合補強材など「メディカル」(医療)関連商材が健闘した。ライフクリエイト事業では、SC(ショッピングセンター)事業の「エルミこうのす」のマスターリース事業の貢献などで健闘した(表2参照)。
粗利率が3.3ポイント改善
財務面では、アパレルの好調と、売り上げは下がったが機能ソリューションの利益効率が改善した影響で、売上高総利益率(粗利率)が3.3ポイント増加した。営業利益段階では25億円と“本業の儲け”を確保している。経常段階では、「デリバティブ評価損」(50億3,000万円)の計上で損失を計上するに至った(表1参照)。
効率性指標では、商品回転率は0.1ポイント減の3.2回転でほぼ前年並みだった。資本の回転率はほぼ横ばいである。流動性指標は安定している。D/Eレシオは0.3倍で前年並みだった。
通期見通しは、前述の通り売上高のみを下方修正している。セグメント別では、機能ソリューションの収益を下方修正した。アパレル事業の通期予想では、売上高720億円(7億円増)、営業利益28億円(4億円増)の増収増益と上方修正している。
(樋口尚平)