MENU
TOP > 業界ニュース > 財務分析レポート ライトオン、2016年8月期 本決算 計画値を下回るも、増収増益を...

財務分析レポート
ライトオン、2016年8月期 本決算
計画値を下回るも、増収増益を達成
既存店が健闘、販管費削減も貢献

update: 2016/09/29

ライトオン、2016年8月期 財務諸表(表1)

ライトオン、2016年8月期
財務諸表(表1)

ジーンズカジュアル小売店のライトオンの2016年8月期本決算(非連結)は、期中の修正計画値を下回るも、増収増益を達成した。既存店が健闘したほか、販管費削減もプラスに働いた。部門別では主力のボトムスに加え、トップス関連が2ケタ増と貢献した。

7月度苦戦、商品回転率が低下するも利益を確保

売上高は修正計画値を下回ったものの、営業利益は0.9ポイント増と数値目標をクリアし、結果的に増収増益を達成した。第四半期の7月度に盛夏、晩夏商品の提案が不十分だったため、苦戦した。売上高総利益率(粗利率)も季節商品の値下げロスが増加するなどし、0.2ポイント減(対修正計画比0.4ポイント減)になった(表1を参照)。

既存店ベースでは、9.2%増と好調な推移だった。期末の店舗数は514店舗(24増、26減)。期中に修正した計画値に対しては、健闘した結果と言えるだろう。部門別売上高でも、主力のボトムスが堅調だったほか、カットソー・ニット、シャツ・アウターといった“トップス類”も好調な推移だった。

消化率の低下に伴い、商品回転率が0.3ポイント減と悪化した。在庫の消化精度は通期以降の課題に掲げている。財務面では、D/Eレシオが微増しているが、低水準にとどまっている。粗利率および商品回転率の低下により交差比率が悪化したが、全体的には安定した財務状態だ。

中期3カ年計画「NEXT36」を策定

ライトオン、2016年8月期 商品別売上高(表2)

ライトオン、2016年8月期
商品別売上高(表2)

同社は2016年8月期決算の発表に合わせて、2019年8月期を最終年度とする中期3カ年計画を策定・公表した。今期(2017年8月期)から始まる新中計では、“ブランディングの基礎を築き、ジーンズカジュアルのリーディングカンパニーを目指す”というスローガンを掲げた。また数値目標として、最終年度には売上高1,000億円、既存店伸び率が年平均102.5%以上、粗利率50%以上、経常利益率7%以上、ROE8%以上、配当性向30%以上を目指す。

中計での具体的な取り組み施策では、商品企画の精度向上、販売力および販促の強化を掲げる。また積極的なリニューアルを進めると同時に新業態の開発にも力を入れる。伸び率が高いEコマース事業の本格展開、販売力強化につながる人材育成も取り組み課題だ。

売上増の肝になる“商品力の強化”では、商品企画の検証強化、素材開発と共有、ナショナルブランドの強化を主な重点課題に挙げる。当期で前年比220%と急速に成長したEコマース事業も強化点の1つだ。2019年8月期には、売上比率で5%程度(約50億円)の規模を見込んでいる。

出店施策では、新業態「Naughty Dog」(ノーティードッグ)の出店を積極化する。メンズ・レディス。キッズに加えて、ドッグ(犬)ウエアを取り揃える。当期下期に10店舗を出店しているが、2017年春から順次、新規出店を推し進める。海外出店も本格化する。来春をめどに、台湾・台北市に海外1号店を出店する計画だ。未出店のアウトレットモールも出店を計画している。

通期の業績見通しは、売上高910億円(5.2%増)、営業利益40億5,000万円(8.5%増)。長期的には、売上高2,000億円、経常利益率12%以上、ROE15%以上という高い目標数値を掲げている。

(樋口尚平)

ダンス ウィズ ドラゴン ペガサス 株式会社デサント ビッグジョン ゴールドウイン ミズノ株式会社 シマセイキ ドミンゴ かまだプリント株式会社 豊和株式会社 シキボウ