財務分析レポート
KERING　2016年12月期　第2四半期
主力の「Gucci」や「Puma」がけん引し、増収増益に

update: 2016/08/19

KERING、2016年12月期
第2四半期 財務諸表（表1）

「グッチ」や「ボッテガ・ヴェネタ」「プーマ」などを傘下に持つKERING（ケリング）の2016年12月期 第2四半期決算は、主力の「Gucci」や「Puma」がけん引し、増収増益になった。地域別では、主力の「Western Europe」（西欧）がけん引役になった、「Japan」（日本）地域も好調な推移だった。

日本市場は2ケタ増に

連結売上高は56億9,200万ユーロ（約6,545億8,000万円、1ユーロ＝115円で換算）、3.3％増と堅調な推移だった。利益面は、本業の儲けを示す営業利益が7億2,500万ユーロ（約833億7,500万円、同）、0.8％減と微減だったが、税引前利益は6億2,400万ユーロ（約717億6,000万円、同）、4.9％増と健闘した。（継続事業からの）四半期利益は4億8,100万ユーロ（約553億1,500万円、同）、6.7％増だった。

売上高総利益率（粗利率）が1.6ポイント増加したが、販管費率が2.1ポイント上昇した。商品回転率は前年同期比並みの1.8回転。粗利率の改善で、交差比率が113.9とやや改善した。資本回転率は前年並みだった。そのほか、D/Eレシオは減少。有利子負債は60億9,800万ユーロ（1億6,100万ユーロ減）と減少した（表1を参照）。

KERING、2016年12月期
第2四半期第2四半期 グループ企業別売上高（表2）

グループ企業（ブランド）別では、主力の「Gucci」（グッチ）が売上高19億4,700万ユーロ（約2,239億500万円、同）、3.9％増と健闘し、セグメント利益も5億3,600万ユーロ（約616億4,000万円、同）、35.3％増と増収増益を達成した。「Bottega Veneta」（ボッテガ・ヴェネタ）は減収減益と苦戦。「Yves Saint Laurent」（イヴ・サンローラン）は増収増益を達成した（表2参照）。

スポーツ＆ライフスタイルカテゴリーでは、PUMA（プーマ）が16億8,600万ユーロ（約1,938億9,000万円、同）、5.3％増と増収し、セグメント利益も5,200万ユーロ（約59億8,000万円、同）、 11.8％増と健闘した。

地域別売上高では、西欧が17億8,400万ユーロ（約2,051億6,000万円、同）、8.6％増とけん引役になった。「North America」（北米）は12億3,600万ユーロ（約1,421億4,000万円、同）、1.8％減とやや苦戦した。日本は5億6,900万ユーロ（約654億3,500万円、同）、14.6％増と好調な推移だった。新興国マーケットでは「South America」（南米）が減収、「EMEA」（東欧。中東・アフリカ）は前年並みだった。

（樋口尚平）